電話が掛かって来たので、出ると、「家庭のインターネット回線の決定権を持っている方か?」
と元気な女性の声が聞きました。
「そうだ」と言うと、「今使っているソニーの光回線のモデムを無償で最新の機種に交換するが、どうするか?」
と聞きました。
モデムって聞いたことがあるけど、何だったっけと思っていると、
「電話線に繋がっていて、ランプがチカチカしている機械だ」と言いました。 確かにランプがチカチカしている機械があったけど、ソニー製だったかと思いつつ、 今使っているモデムというものに問題が発生しているので、交換してくれるものと思って、 「お願いします」と答えました。 「年齢は70歳未満ですね」と言うので、「そうだ」と言うと、 「それなら問題ないので、折り返し別の人から、電話をするので待っていてくれ」と言われ、 電話を切りました。 電話を待つ間に、モデムと言われた機械を確認すると、NTTと書いてあるだけで、 SONYという文字はありませんでした。 書いてあった型番を検索すると、「ひかり電話ルータ」というもので、 NTTのレンタル品だといういうことが分かりました。 NTTのひかり電話ルータは、ソニーのモデムと同じものを指すのかと思っているうちに、 次の人から電話が掛かって来ました。 交換するモデムにはWi-Fiが付いているとか、カメラも付属しているなどと説明され、 料金が安くなるとか説明されました。 説明文をメールで送るので、メールアドレスを教えろと言われて、Gmailのアドレスを 教えると、メールが送られてきました。 送られてきたメールには、「無線端末(モデム) ソニーネットワークコミュニケーションズ提供」と書いてあり、 差出人のアドレスが「...@softbank.ne.jp」となっていました。 なぜ、ソフトバンクなのかと不思議に思ったのですが、 ソニーのブランド名に安心感を覚えました。 説明が矢継ぎ早で、「シムカード」などということも書いてあるけれども、 よく分からないまま、話がどんどん進んで行きました。 IVRというセキュリティーの確かな方法で、クレジットカードの情報を送る必要がある ということで、また別の人から折り返し電話が掛かってくることになりました。 https://www.sonypaymentservices.jp/yougo/ivr.html すぐに電話が掛かってきて、電話機のプッシュボタンで、クレジットカードの情報を 入力しました。 そのあと、また電話が掛かってきて、メールで送られてきた URLのサイトから、 シムカードの申し込みをすることになりました。 https://ace-sim.com/ メールの差出人は「ウィニングフィールド」でした。 後で確認すると、メールアドレスは「...@gmail.com」となっていて、 「なんで Gmail なんだよ!」とツッコミを入れたくなります。 他にも、「『MANOMA』お申し込み完了のご連絡」というメールも来ていました。 電話攻勢が終わって、何か妙な違和感があって、「MANOMA」って何だろうと、 検索してみました。 「騙されるな!manomaの契約前に注意するべき落とし穴とは」 というサイトが、すぐに見つかりました。 「結論、manomaは、通信速度が遅い上に速度制限があり、自宅でしか利用できないので、インターネットを利用時に不便を感じる可能性が高いことから、おすすめしません。」 といきなり書いてあります。 当然とはいえ、通信速度が遅いなどという話は、電話で全く聞いていません。 騙されたと自覚しました。 「manoma 解約」で検索すると、ラッキーなことに、すぐ見つかりました。 https://support.sonynetwork.co.jp/manoma/web/knowledge3127.html 大急ぎで、書いてあった電話番号に電話して、キャンセルしました。 シムカードについては、「MANOMA」とは関係ないので、 「ウイニングフィールド」にキャンセルを申し込むように言われ、電話番号を教えて もらいました。 また、間違って機器が届いた場合には、受取拒否をするように言われました。 その後すぐに「『MANOMA』お申し込みキャンセルのご連絡」というメールが届きました。 教えられたウイニングフィールドの電話番号に電話すると、今度は初めて男性が出て、 「どうしてキャンセルするんですか?」、 「ネットに、通信速度が遅いと書いてあったからです」、 「そういうことがネットに書いてあって困るんですよね。 それで、うちはシムカードを変えて、通信速度を速くしているんですよ。 私も使っているんですが、200メガぐらいのスピードがあって、遅いと思ったことがないです」、 「でも、もう MANOMA のキャンセルしちゃいましたから」、 「そうですか。じゃあまた、お薦めの電話をしますから」、 「いえ、もう電話をしなくていいです」。 「騙されるな!manomaの契約前に注意するべき落とし穴とは」 のサイトによると、光回線だと 1000Mbps 〜 2000Mbps で、 manomaだと 370Mbps と書いてあります。 それが、200メガなら、もっと遅いですが、余計なことは言いませんでした。 「騙されるな!manomaの契約前に注意するべき落とし穴とは」 のサイトからリンクされている ツイッターのつぶやきによると 「実家のインターネットにWi-fi接続したらメチャクチャ遅い。回線速度を測るアプリで計測したら下り1MBも無い今時あり得ない低速ぶり。 父に聞いたら最近「MANOMA」とか言うソニーのネットサービスと契約したらしい。Twitterで検索したら同様に遅すぎるとかサポートの対応が酷いとか(@_@;)」。 この方のお父さんも、私と同じ目に遭ったようです。 【この勧誘の手口の問題点】
これで一件落着と思っていたら、その日から6日後に、「ウイニングフィールド」でキャンセルしたはずのシムカードについて、 「≪AceSIM≫発送完了のご案内※送信専用※」というメールが届きました。 「ご契約期間中(11ヶ月以内)の解約には9,800円(税抜)の契約解除料をご請求致します」と 恐ろしいことが書いてありました。 差出人は、ace-sim.com でした。 「ウイニングフィールド」は、シムカードのキャンセルをしていなかったということが分かりました。 佐川急便で発送したということで、お問合せ番号が書いてありました。 佐川急便の荷物を受け取り拒否することができる?その3つの方法とは? このサイトに書いてあるように、佐川急便の担当営業所へ受取拒否をする電話を入れました。 もしも、私が support.sonynetwork.co.jp に電話をしないで、「ウイニングフィールド」の方に電話を掛けて MANOMAのキャンセルをしていたら、 MANOMA までも送られてきて、もっと面倒なことになっていたはずです。 7日後にあたる翌日に、佐川急便のサイトを見ると、「配達中」となっていました。 前日の受取拒否の連絡は、うまくいかなかったようでした。 再度、同じ営業所へ受取拒否をする電話を入れました。 発送完了のメールに書いてあった契約解除料の請求というのが気になりました。 そして、クーリングオフという制度があるのを知りました。 クーリング・オフの基礎知識!できないと拒否されたらどうすればいい? 電話勧誘販売でもクーリングオフが可能で、「クーリング・オフの期間は法定書面を受け取った日から8日間です」と書いてあります。 7日後であるその日は、クーリングオフができる最終日だったのです。 「《Ace SIMサービス》お申込み確認メール」というのを読み返すと、 「本メールはAce SIMサービスをご利用いただくにあたり非常に重要なお知らせでございます。 別途書面による契約書の送付は行っておりません」と書いてあるではありませんか。 このメールが「法定書面」のようです。 クーリングオフが可能な最終日に品物を送ってくるとは、 法律を知り尽くした悪質な行為です。 これでは、素人では太刀打ちできないと、市の消費生活相談室に電話を掛けて助けを求めました。 これまでの経緯を詳しく話したところ、「今日中に『初期契約解除』をしてください」と 言われました。 インターネットの通信機器の契約の場合は、クーリングオフではなく、初期契約解除と言うそうです。 さすがに専門家はよく知っています。 初期契約解除もクーリングオフと同じく、期限は8日間です。 メールに電話番号が書いてあり、13:00〜17:00 の4時間しか受け付けないようです。 消費生活相談室の人によると、限られた時間に電話が集中するので、つながらなくても、 つながるまで根気よく何度でも電話を掛け直してくださいと言われました。 13時ぴったりに電話を掛けました。 呼び出し音が20回鳴って、プツンと切れました。 話し中ではなかったけれど、4回目に、やっと係の女性が出ました。 品物を受け取り拒否したことや、MANOMAをキャンセルしたので、シムカードが送って来ても 何の役にも立たないことを話し、初期契約解除ができることになりました。 初回の利用料がクレジットカードから引かれるけれど、返金しますので、全く料金は掛かりませんということでした。 また、キャンセルのメールが来るかと確認したところ、キャンセルメールは来ないということでした。 ネット情報によると、「詐欺にあいました。インターネットが全く使いものになりません。 返金や解約にも応じずに、対応も酷いです。警察に被害届、法的機関に相談してます」 などと書いてあったので、ヒヤヒヤしていたのですが、うまく契約解除できたようで、ホッとしました。 今回、教えてしまったクレジットカード情報が悪用されないことを祈るばかりです。 消費生活相談室の人からは、クレジットカード会社に連絡して、 今回関わった会社への支払いを拒否する手続きをするように言われました。 私の場合は、MANOMA の申し込みが終わってから10分程で、キャンセルの手続きを始めたので、 被害は、無駄な時間を費やして仕事が進まなかったという程度ですが、 契約書類と品物が届いてしまってから、解約をした人の体験談が書いてあるサイトがありました。 勧誘に注意!MANOMAを解約した話【速度が遅い】 MANOMA の製品が悪いのではありません。 MANOMA(スマートホームサービス)が必要のない人を騙して、 高速な光回線を低速な MANOMA に置き換えてしまう代理店業者が悪いのです。 そして、悪徳代理店とタッグを組んで、庶民を騙す汚れ仕事を代理店にさせておいて、 売上げを伸ばすソニーも当然、悪いに違いありません。 契約書類が届いてから、騙されたことに気づいた人は、初期契約解除(クーリングオフ)期間内に さっさと解約して、被害を少なくしましょう。 他にも、こんなサイトがありました。私も前もって MANOMA の恐ろしさを知っていたらよかったと思いました。 【スッキリ解決】manoma(マノマ)の勧誘手法と対策まとめ 今使っている光回線の機器を変更する手続きが本当に必要なら、書類が送って来るはずです。 相手が出るかどうか分からない電話で連絡してくることはあり得ません。 そんな電話が掛かってきたときは、悪徳代理店業者に決まっていますから、迷わず断るべきだったと痛感した一件でした。 差出人のアドレスが「...@softbank.ne.jp」で送って来た最初のメールを読み返すと、 「ソニーネットワークコミュニケーションズ パートナー企業 MANOMA販売代理店 株式会社ウイニングフィールド」と書いてありました。 住所は書いてありません。 「ウイニングフィールド」を検索すると、「鎌倉・湘南のWebコンサルティング会社」の 「株式会社ウィニングフィールド」がヒットしました。 注意して見ると、「ウイ」と「ウィ」の違いがあります。 イの文字の大きさが異なります。 実在する Webコンサルティング会社のメールアドレスは「...@winningfield.net」であり、 「@softbank.ne.jp」の前に意味不明な19個の英数字が並ぶアドレスではありません。 実在する別会社と勘違いさせるように出来ているようです。 最初のメールには、お問い合わせ窓口としてフリーダイヤルが書いてあって、 これは MANOMAの解約で教えてもらった番号と同じです。 そこで、そのフリーダイヤルの番号を検索してみたところ、 「悪徳不動産会社御中担当者様へ、最近アポ電話詐欺とか?不審電話につき、警察関係も注目しています。不動産及び投資関連と思いますが、脅迫じみた電話対応は不審電話です。告訴にも値します。念の為通告しておきます。当方の電話は警察指導により録音装置を設置しています」と書いてありました。 HUIT という不動産業者だそうです。 手を変え品を変えというところでしょうか。 MANOMAの悪い評判を色々と見ていると、中には、言い訳がましいことが書いてあるサイトがありました。 MANOMAの速度/口コミ/評判/勧誘/解約方法/スマートホームサービスを徹底解剖! 本来の MANOMA は、家庭内のあらゆる電気製品を WiFi で結んで、体を動かさないで 操作する不精な生活をしたり、家の中に監視カメラを付けて、外出先から家の中の様子を 覗き見たりすることが目的の製品です。 だから、家の中の電気製品を MANOMA と通信可能な電気製品に交換することができる裕福な人向けです。 悪用されると、他人に家の中を覗かれる可能性もありますね。 パソコンなどで、動画を見たり、ネット会議をしたり、ホームページを見たりするには、 通信速度が遅すぎるため、そちらは MANOMA とは別の光回線を使うべきで、 そのような二重の契約の支払いが苦にならない裕福な人向けです。 しかし、私に電話を掛けてきたソニーの代理店の女性担当者は、カメラが付属している と言っただけで、肝心のスマートホームサービスの話は一切なく、料金が安くなるという 話だけでした。 最初から、騙す気満々だったんですね。 天下の大スポンサー企業が関わっているのですから、マスコミはこんな詐欺問題は、 一切取り上げることはないでしょう。 「初期契約解除できた」は嘘だった!!それから3週間経ったころ、車で大型スーパーへ行って買い物をして帰ってくると、 ポケットに入れてあった財布が見つかりませんでした。 車の中も隅々まで探し、車から降りた経路も徹底的に探しましたがありません。 財布の中には、支払いが近づいたいつもより多めの現金と、楽天カードなどのカード類が 入っていました。 すぐに、買い物をした大型スーパーに電話をして、財布が落ちていなかったか聞きましたが、 落とし物を拾ったという届けは出ていないということでした。 地元の警察に財布の紛失届を出したところ、楽天カードをすぐに停止するように言われました。 カードの紛失・盗難専用ダイヤルに電話を掛けて、楽天カードを停止してもらいました。カードの紛失・盗難|楽天カード カードの停止を行うと、旧カードが使えなくなり、別の番号の新しいカードが発行されるようです。 旧カードが見つかっても、もう使えません。 翌朝、念のためにもう一度、車の中を探してみて、やっぱりないと諦めかけたとき、 シートベルトを引き込む隙間から、財布がチラッと顔を出しているのが見つかりました。 シートベルトがポケットの中の財布を抜き出して、シートベルトの格納場所に財布を しまい込むという不思議な現象が起きていたわけです。 同じことを再現しようとしても、ちょっとやそっとでは出来ないでしょう。 警察と大型スーパーに、財布が見つかったことを連絡すると、我がことのように喜んでくれました。 それから10日ほど経って、新カードが送られて来ました。 すぐに月末の支払日だったので、その月の支払先に、新カードの番号を登録しました。 キャンセルした Ace SIMサービス(株式会社クーペックス)だけは、そのままにしました。 一旦支払って返金という手間も省けてよかったと思いました。 ところが、月が替わって見てみると、旧カードの分は Ace SIMサービスの分も含めて、そのまま銀行から引き落とされていました。 楽天カードは、インターネットで詳しく確認できて便利です。 お支払いのキャンセル(取り消し)処理について|楽天カード 返金の確認もできますが、まだ返金はされていませんでした。 ということになると、今度は、旧カードのキャンセルが新カードで返金されるのか 心配になってきました。 そこで、楽天カードの問い合わせ先に、「旧カードで『利用先:ツウシンリヨウリヨウ』の 『利用金額:3,740円』をキャンセルしたものが、新カードで返金されるのか」と 質問しました。 「カード番号を変更いただいた場合であっても、請求元よりキャンセル情報が到着いたしましたら、 適切に対応いたしますのでご安心下さい」という回答をいただき安心しました。 それにしても、通常は店名や会社名である利用先が『ツウシンリヨウリヨウ』とは怪し過ぎます。 まだ、楽天カード側にキャンセル情報が到着していないということで、 「キャンセルを行ったレシートやメールなど、証拠となる書類はあるのか」と聞かれました。 キャンセルの電話に出た Ace SIMサービス(株式会社クーペックス)の女性は、 「初回の利用料がクレジットカードから引かれますが、返金しますので、全く料金は掛かりません」と口約束しただけで、キャンセルメールは出しませんと言ったのです。 楽天カード側からは、「証拠となる資料をお持ちでない場合、弊社にて対応することができません。 当事者間での解決を行っていただきますようお願いいたします。 お力添えできる範囲が限られており、誠に申し訳ございません」と謝罪されました。 証拠を残さない相手との「当事者間での解決」は困難だと思いましたが、 発送完了のメールに書いてあった ACE SIM service のホームページを見ると、「お問合せ」のボタンが付いていました。 ダメもとで、楽天カードに問い合わせたことを含め、これまでの経緯を詳しく書き、 受け取ったメールをコピペしたり、受取拒否した佐川急便お荷物追跡URL を書いたりして、 まだ返金されていないことについて、ホームページから問い合わせをしてみました。 翌日、Ace SIMサービスから返信のメールが来ました。 二日前に既に返金しているという内容でした。 既にキャンセル処理が完了しており、今後も料金が請求される事はないと書いてありました。 やっと、証拠のメールを受け取ることができました。 楽天カードに問い合わせたことを書いたのが、功を奏したのかもしれません。 その後、楽天カードから、「カードご利用分キャンセル情報到着のお知らせ」というメールが届きました。 楽天カードは便利です。 楽天カードのサイトで確認すると、キャンセル情報が到着したのは、二日前でなく、 Ace SIMサービスに、ホームページから問い合わせた日付になっていました。 楽天カードの名前を出したため、慌ててキャンセルに応じたように見えます。 そこで、楽天カードの問い合わせ先に、問題が解決したことを報告しました。 「解決されたとのこと、わたくし共も安心いたしました」と返事をもらいました。 怪我の功名というものです。 私が財布を紛失していなかったら、楽天カードに問い合わせることもなく、そのままうやむやになっていたでしょう。 そして、持ってもいない SIMカードの使用料金を、知らないうちに毎月 3,278円ずつ、かすめ取られていたことでしょう。 カードの番号が変われば、それ以降は勝手に取ることはできません。 【この契約の手口の問題点】
株式会社クーペックスの Googleクチコミ 悪徳不動産会社のフリーダイヤルを使っているウイニングフィールドを名乗る会社と クーペックスは実体は同じである気がします。 |