女神様は、人間の生活を見たいのだそうだ。
だから、人間の姿をして、人間として生活している。
ぼくは、ここに来るまでは普通の狛犬だった。
でも、今は違う。
女神様と出会って、女神様と同じように生活している。
いや、人間と同じように、というべきか。
人間の姿で、人間として生活しているので、食事も摂るし睡眠もとる。
もちろん神社の敷地内でのマーキングはご法度だ。
ぼくは、料理も掃除も洗濯も、女神様に習った。
料理には、少し自信がある。
しかし、掃除や片付けは今ひとつ苦手だった。
それでも境内の掃除は任されているのでがんばっている。
このあたりは木が多いので、落ち葉が多い。
境内の掃除は大体落ち葉がなくなるまでだ。
「今日は少なかったなぁ・・・」
つぶやきながら、掃除道具を片付ける。
次は洗濯だ。
ぼくの日常は、家事が大半を占めている。
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