女神様の風邪が治ってから数日、今度はぼくが風邪で寝込んでいた。
「昨日までは咳と鼻水だけだったのに・・・すみません。」
熱を測ると38度2分。
頭痛も少々する。
「だから無理しちゃだめだって言ったのに。」
女神様はいつものような優しい笑顔じゃなかった。
すごく不安で心配そうな顔をしている。
「すみません・・・ご心配をおかけしまして・・・」
すると、女神様は微笑んで言った。
「早く治るといいね。」
「コマ兄、お茶もって来たよ。」
美子がお茶を持ってくる。
見ると湯気が立っている。
「ちょ・・・熱いお茶!?」
「そうだよ。風邪のときは、温かいお茶が一番なの。」
「いや・・・ぼくは猫舌だし・・・」
「冬だからすぐに冷めるよ。」
女神様がおかしそうに口を挟む。
ぼくは冷めるのを待って薬を飲んだ。

 ぼくは布団を肩までかぶって寝転がる。
今日は一日天井とにらめっこだ。
ふと目をやると女神様は忙しそうに家事をこなしていた。

「コマ兄、本を読んであげようか?」
美子はお気に入りの絵本を持ってきた。
「いつも読んでくれてるから、今日は私が読んであげる。」
絵本の内容は、ねずみの少女の話だった。
「ありがとう。すごく面白かったよ。」
ぼくは和んだ気分になっていた。

 布団の中でいつの間にか眠っていた。
おいしそうなにおいがしてくる。
今日の晩御飯は、たぶんハンバーグだ。
ぼくはわくわくしながらもう一眠りするのだった。


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