境内の掃除を終わらせた後、朝食の準備をする。
これはいつものとおりだ。
その後、すぐにお昼ご飯のお弁当を作り始める。
今日は楽しい花見なのだ。
もっとも、この神社の敷地内でするのだが、こういうのは雰囲気が大事なのだ。
ぼくはおかずに骨付きの鶏肉を焼く。
その間に野菜を切ってサラダの準備をする。

 ぼくは料理は得意だが、おにぎりと玉子焼きは作れない。
不器用なのだ。
その二つは女神様と美子にお願いする。

 お昼少し前、桜の木下に小さなシートを広げてお花見開始だ。
ぼくたち3人はそこに並んで座る。
「もう、葉っぱが出てきたね。」
「ほんの少しだけですけどね。」
「桜って、きれいだよねぇ・・・」
ぼくたちは、桜を見た感想を口に出す。

 花びらが舞い、お弁当を食べ、楽しいお花見だった。
「すごく楽しかったね。」
美子はご満悦、といった表情だ。
「お弁当なしでいいなら、毎日できるね。」
「桜が散ってしまうまでね。」
ぼくたちは最後にもう一度桜の花を見上げる。
きれいなピンク色の花の間に、薄い緑の葉が出始めていた。

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