お昼ごはんを食べながら、やぐら作りの話をした。
力仕事だけど単純作業であること、ぼくたちと同じように人間の格好で暮らしている
狛犬さんや池の主の鯉さんがいたこと、など。
「いろいろ、勉強になったでしょ。」
女神様が言う。
「えぇ。なんというか、世界が広がりました。」
「よかったね、コマ兄。」

 暑くて、思いのほか疲れていた。
ごろん、と転がると、そのまま眠ってしまった。
「コマ兄ぃ。遊ぼう。」
「ほら、疲れてるんだから、起こしちゃだめよ。」
うとうとしていると、そんな会話が聞こえる。

 目が覚めたら5時を過ぎていた。
「うぉぉ!?もうこんな時間!?」
まだ昼食の皿洗いも、夕食の準備もしていない。
「ちょ・・・すみません!!
すぐにやりますんで!!」
見ると、台所はきれいに片付いていた。
「あ・・・アレ?」
「今日は疲れてるでしょ。
家のことは気にしなくていいよ。」
「女神様と晩御飯の買い物に行ってお菓子を買ってもらっちゃった」
「あ・・・どうもありがとうございます。
お菓子はぼくにも分けてちょうだいね」

 晩御飯も、女神様に作っていただいた。
ぼくの好きな、ハンバーグだった。
「元気を出して、夜もがんばってね。」
「私も、一緒に作ったんだよ。」
すごく、ありがたいことだ。
バイト代が出たら、二人と外食に行こう、そう思った。


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