近所のイタリア料理店で、それぞれ好きなものを注文する。
女神様はクリームパスタ、ぼくは明太子スパゲッティ、美子はミートソースのヤツだ。
それから、飲み物を頼む。
女神様はビール、ぼくはレモンチェッロ、美子はオレンジジュース。
それぞれそろってから、みんなで一緒に食べる。
これは女神様が決めたことだった。

 食事がある程度進んでから、ぼくはひとつ提案をした。
「お祭りをしたいんですけど」
ぼくは女神様に言ってみた。
この間、初めてお祭りに参加した。
楽しかった。
来た人たちも、みんな楽しそうだった。
うちの神社でもあったらいいな、そう思った。
女神様は少し考えてから、
「今までやったことないからどうなるかわからないよ」
言葉とは裏腹にまんざらでもないといった口調で言う。
「お祭り…大好き!!」
美子はすごく嬉しそうだ。

 帰り道、どんなお祭りをしたいか、いろいろ話した。
やぐらを立てて盆踊り、のような、規模の大きなものはできないけど、
でも何かしようと、それだけは決まった。
月のきれいな夜だった。

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