お風呂から上がり、服を着替えてぼくたちは外に出た。
旅館の周辺の散策をするのだ。
この旅館は山の中腹くらいにあるので、景色がすごくいい。
今から楽しみだ。
少し周りを歩いたが、自然に囲まれ、空気もおいしく、とても気持ちがいい。
ぼくは深呼吸をする。
「楽しいね。」
美子が言う。
「そうだね。」
「美子が言い出したんだもんね。」
この温泉旅行の話だ。
まさか、来るとは思わなかった。
だから余計に楽しい。
旅館から見て、上のほうに行ってみる。
「ここの少し先にね、大きくてきれいな桜があるの。
まだ咲いてるかな・・・」
女神様が言う。
「来たことあるんですか?」
ぼくは聞いた。
「えぇ、ここの上にも神社があってね、私の友人がいるの。
桜はそこに植えてあるのよ。」
「きれいな桜、見たい。」
美子が言う。
登っていき、その神社を見つける。
境内には花壇が作ってあり、花が咲き乱れている。
その上をひらひらと蝶が舞っている。
「かわいい・・・モンシロチョウだ。」
美子はうれしそうだ。
そして、花壇の少し先には大きな桜が花をつけていた。
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