昨夜はすごく楽しかった。
持ってきたトランプをしたり、普段あまり見ないテレビを見たり。
旅行というだけで三人とも少しハイになっていた。
晩御飯もすごくおいしくて、思いのほかお酒も進んだ。
寝る前にはまたお風呂にも入った。

 昨日は結構遅くまで起きていたのに、ぼくは5時少し過ぎには目を覚ました。
まだ二人とも眠っている。
ぼくは窓際でカーテンを少し開け、朝の光で本を読んだ。

 一番好きな話を読み終わると、6時近くなっていた。
6時からはお風呂に入れる。
誰も来ていなければ泳げると思い、少しわくわくしていた。
「ん・・・コマ・・・」
女神様がの声がした。
「あ・・・起こしちゃいましたか?」
「そうじゃないけど・・・泳いじゃだめよ。」
すっかり見抜かれていた。

 お風呂にはまだ誰もいなかった。
ぼくは湯船の中で思いっ切り体を伸ばす。
家のお風呂ではできないことだった。
あがろうとすると知らないおじさんが2,3人来た。
お互いに挨拶を交わす。

 部屋に戻ると女神様と美子が起きていた。
「おはよう、泳がなかったよね。」
女神様がからかうように言う。
「おはようコマ兄、すごく早起きだね。」
「おはようございます。お風呂気持ちよかったですよ。」
「私たちも今から行くところなの。」
「お留守番よろしくね。」
そういうと、二人はお風呂に向かった。
ぼくはまた本を読み始める。

 二人が戻ってくると朝食を食べに行った。
朝食はバイキング方式だった。
「今度はいつかの焼肉のときみたいに食べ過ぎないでよね。」
「私も女神様も、コマ兄は背負って帰れないからね。」
「むぅ・・・気をつけるよ。」
こればかりは言い返せない。
それでもオレンジジュースはサーバーの半分くらいは飲んだ。

 朝食が終わるとお土産の購入だ。
「タカシくんには何がいいかなぁ・・・?」
「一人暮らしの学生だからおかずになるような食べ物じゃないかしら?」
「私はなんにしようかな?」
「お菓子かかわいいキーホルダーがいいと思うよ。」
女神様のアドバイスは適切だ。

 それからぼくたちは旅館を出た。
一泊二日だったけど、楽しい家族旅行だった。
「また、行きたいねぇ。」
美子が言う。
「本当ね。来年くらいにまたいけるといいね。」
女神様も賛成する。
「えぇ、ぜひ行きましょう。」
ぼくも、今から来年の旅行が待ち遠しかった。


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