朝は早く起きなければならない。
はっきり言って戦争だ。
起きたら日課の境内の掃除をする。
その後朝食の準備にかかる。

 朝食の準備は女神様に遅れをとってはいけない。
なぜなら女神様は最近、洋食にこっているのだ。
ぼくは朝はご飯の方がいい。
だからこれは負けられないのだ。

「そんなに落ち込まなくてもいいじゃない」
女神様が言う。
「いや…別にパンが嫌いってわけじゃないんですよ。
ただ三日連続でパンになっ…
いやいや、女神様に朝食の準備をさせてしまった自分が情けなくて…」
「三日連続でパンにへこんでるんでしょ」
おかしそうに美子が口をはさんだ。
「いやいや、パンは大好きだよ」
そう言って一枚かじる。
「そんなにパンが好きなの?」
美子が聞く。
確かにおいしいけどさすがに三日連続はないと思う。
「うん、洋風料理の本を見つけてね、今こってるのよ。
パンを使った料理が結構多いから試しているの」
女神様は料理が好きだ。
だから本を見つけたらこうなってしまう。

 朝食の片づけをして、なんとなく女神様がいってた料理の本を見てみる。
「こ・・・これは!?」
ぼくは、材料を買いに走った。
今日の昼はこれで決まりだ。
女神様も、まだ作っていない。

 買ってきた材料をもとに、昼ごはんを作る。
パンと、ヨーグルトとジャムを使った料理だ。
「わぁ・・・おいしそうだねぇ・・・」
美子が喜ぶ。
これだけで、作った甲斐があるというものだ。
「あはは・・・これは御飯というよりおやつだよ」
女神様が言う。
「え!?」
「でも、冷たくて美味しそう。
今日のおやつにしましょう。」
女神様は、お皿におにぎりをたくさん作ってくれていた。

 結局、気を遣わせて、昼食も準備してもらっていた。
失敗したな、と思いつつ、結構うれしかった。
3人で残暑の中食べる冷えたヨーグルトパンは、とても美味しかった。


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