今日は七夕だ。
家の電気を消し、外を眺めた。
「きれいですね」
空には天の川が見えた。
「すごい、すごい」
美子は大喜びだ。
最近、よく笑うようになった。
女神様はうれしそうに美子の頭をなでる。
ぼくたちはしばらく無言で空を眺めた。

「ねぇ」
美子が口を開く。
「織姫様ってどれ?」
女神様はくすっと笑う。
「あそこに三角形になっているのがわかる?」
美子はうん、と答える。
「あの三角形が、織姫と彦星、それから、二人の橋になった鳥よ」
ぼくは口を挟んだ。
「鳥はかささぎなんですよね」
「二人とも、すごいね」
美子は感心して言った。

 夜、寝る前に美子は言った。
「今日は素敵な夢が見れそうだよ」
ぼくも女神様も同じ気分だった。

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