今日は外が寒い。
だから、みんななんとなく家の中にいる。
美子はさっき、ごろごろしながら、そのまま眠ってしまった。
ぼくは、女神様と一緒にこたつにいた。
なんとなく、女神様に少し近づいてみた。
「ねぇ、女神様。」
ちょっとどきどきしながら呼んでみた。
女神様は、読んでいた本から顔を上げ、こちらを向いた。
「どうしたの、コマ?」
やさしい笑顔で返事をしてくれる。
「・・・ううん、何でもない、何でもないんです。」
「そう・・・変なの。」
女神様はくすっと笑ってまた本を読みはじめた。
でも、ぼくは――そしてきっと女神様もそれだけで満ち足りた気持ちになるのだった。
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