今日は近くの神社にお使いに来ていた。
女神様が新しい料理を試してみて、作りすぎたからおすそ分けに、と言われて来たのだ。
「あぁ、コマくん、いつもありがとう。」
神様はお弁当箱を受け取りながら言う。
ぼくは出されたお茶とお菓子をいただいた。
ぼくはお茶とお菓子を食べてから外に出た。
まだ2月なのにもうずいぶん温かい。
ぼくは思いっきり空気を吸い込んだ。
「うぅ〜ん・・・いい気持ち・・・」
「もう、春の匂いがするでしょ。」
「うわっ!!!!びっくりした。」
後ろから突然声がした。
びっくりして振り向くと、れんさんがいた。
ぼくを見てくすくす笑っていた。
「驚きすぎだよ、コマくん。」
ぼくたちは、神社の境内を歩きながら少し世間話をした。
「まだ2月なのに今日はずいぶん温かいよね。」
「えぇ、まるで春みたいですね。」
れんさんはふと思い出したように言った。
「そうだ、いいものを見せてあげようか?」
「えぇ、ぜひお願いします。」
そう答えるとれんさんはやわらかい笑顔になった。
鳥居から見て社務所の影のところに小さな木が生えていた。
それにはもう花が咲き始めていた。
「梅の花がもう咲き始めているの。きれいでしょ。」
れんさんは嬉しそうに言う。
「すごくきれいですね。白い花って大好き。」
白くて小さな梅の花。
すごくきれいだ。
「私がね、毎日お水をあげてるの。」
愛おしそうに花を見つめながら言う。
「だから、こんなにきれいな花が咲くんですね。」
れんさんは照れくさそうに笑うと、ありがとう、と言った。
早く春になるといいな、ぼくはれんさんの笑顔を見ながら思うのだった。
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