富士通(Mustek)のスキャナ 1200CUB を Windows Vista で使う方法

 Windows 98SE の全盛時代に購入した富士通(Mustek)のスキャナ 1200CUB が 正常に動かなくなっていたので、壊れてしまったと思っていた。 捨てる前に中を見てみようと思ったが、どこにもネジが見付からず、分解はあきらめた。 USB のコネクタがうっすらと白っぽく表面が錆びていたので、 KURE CRC 5-56 を付けて拭いてみた。 98SE マシンにつないで、試しに動作させてみたところ、完全復活してしまった。 単なるコネクタの接触不良だったようだ。 スキャナは年に数回使う程度なので、これまで酷使していた訳でもなく、 壊れていないのは当然といえば当然で、まだまだ現役で使える。 それより、98SE マシンの方が先に壊れる可能性が高い。 1200CUB は、じれったいくらい動作が緩慢なのが難点だ。

 1200CUB はメチャ古いので、Windows 2000 のドライバまでしか存在しない。 ネットで検索すると、2000 のドライバを使って Windows XP で動作させる方法が 書いてあった。 最近購入した Windows Vista Home Basic ではどうなんだろうと検索したが、 出来るとも出来ないとも書いてあるのが見付からなかった。 そんな訳で、Windows Vista で 1200CUB を動作させることに挑戦することになった。

 1200CUB の Windows 2000 用のドライバは、下記の富士通のサイトから ダウンロードできる。 1200cub.exe をダウンロードする。このファイルは自己解凍ファイルになっている。
http://jp.fujitsu.com/group/personal/support/driver/1200cub-win2000.html
(同様のドライバは、Mustek のサイトからもダウンロードできるが、 富士通のサイトの方がバージョンが新しく、 ユーザーズマニュアルやチュートリアルなどまで付いている。)

 1200cub.exe のアイコンをダブルクリックすると、同じフォルダに Help、Tutorial、Win2k、Win98 の4個のフォルダと、 Autorun.inf、License.txt、Run.EXE の3個のファイルに解凍される。

 Windows 2000 用のドライバであるがゆえに、Vista を 2000 に変装させる必要がある。 XP にインストールする方法が書いてある下記のサイトをマネて、 レジストリをいじることにする。
http://papagon.client.jp/1200cub/1200cub.html

 レジストリをいじるには、レジストリエディタ regedit を使う。 regedit を起動するには、まずキーボードの Windowsキーと Rキーを同時に押す。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070605/273625/
Windowsキーとは、キーボードの左下付近にある Windows の旗のマークが付いたキーである。 「ファイル名を指定して実行」のダイアログが出たところで、regedit とキー入力して、 OK ボタンをクリックすれば、レジストリエディタが立ち上がる。 下手にレジストリをいじると、Windows が立ち上がらなくなるので、その前に、 レジストリの状態を regedit でまるごと保存し、もしもの場合に備えておく。
http://vanilla.xrea.jp/vista/category5/entry37.html
レジストリの操作は危険を伴うので、慎重に行わなければならない。

 ドライバをインストールするときに、ウィルス対策ソフトが邪魔しないように、 PC をネットワークから切り離し、ウィルス対策ソフトを停止させておく。

 レジストリエディタでは、左側を「HKEY_LOCAL_MACHINE」−「SOFTWARE」−「Microsoft」 −「Windows NT」−「Current Version」と開いていく。 右側の「ProductName」には「Windows Vista (TM) Home Basic」と書いてあるはず。 ここを書き換えて、Windows 2000 の振りをさせるのだが、 後で正確に元通りにしなければならないので、ここに書いてある文字をコピペして、 適当なテキストファイルに保存しておくとよい。 右側の「ProductName」をダブルクリックして、「Windows Vista (TM) Home Basic」を 「Microsoft Windows 2000」に書き換えて「OK」をクリックする。 すべて半角で、Windows の前後にスペースが入る。

 レジストリエディタを終了させてから、ダウンロードして解凍しておいた インストール用プログラム Run.EXE のアイコンをダブルクリックする。 しばらく操作すると、Windows を再起動してよいかと聞いてくるので、再起動させる。 再起動後にも、念のためウィルス対策ソフトは停止させておく。

 Windows が立ち上がったら、1200CUB を USB ポートにつなぐ。 ドライバをインストールするために、何か聞いてくるが、推奨と書いた方法を 選択していくとインストールが完了する。

 ここまでうまく行ったら、忘れないうちに、レジストリエディタを立ち上げて、 「Microsoft Windows 2000」を「Windows Vista (TM) Home Basic」に戻しておく。

 スキャナが動作するか確認するのに、また苦労した。 Vista に付いている「Windowsフォトギャラリー」では、スキャナを動かすことが出来ない。 万事休すかと思ったが、そうではなかった。 実は、スキャナのドライバには、TWAIN と WIA の2系統があったのだ。
http://www.sophia-it.com/content/WIA
Windows 2000 までは TWAIN が標準で、Windows XP 以降は WIA が標準になったらしい。 今回インストールしたのは、TWAIN のドライバであるから、WIA にしか対応していない 「Windowsフォトギャラリー」では役に立たないということになる。

 TWAIN 対応で Vista で動作するフリーソフトで、最初に見付かったのは、 フルカラーペイントソフト Pixia だった。(当然他にも色々あるだろう。) Pixia は TWAIN と WIA の両方が出来るようだ。
http://www.pixia.jp/

 ところが、Pixia をインストールして起動すると、スキャナの入力用ダイアログを 出すところまでは進むが、Preview ボタンをクリックすると、 「C:\Windows\twain_32\1200CUB\ColorB.dat」がどうのこうのというエラーになってしまった。 中々順調には進まない。 このエラーは、「C:\Windows\twain_32\1200CUB」のフォルダが書き込めないように 設定されているせいで出たものだった。 Vista はセキュリティが厳しいせいで、何かと使いづらく、 何が起こっているのか訳が分からない。 画像読み込み時のエラーが出ないようにするには、次のようにする。

 エクスプローラを立ち上げて、「C:\Windows\twain_32\1200CUB」のフォルダのアイコンを 右クリックして、プロパティを変更する。
http://www.applitech.co.jp/vista.html
プロパティダイアログのセキュリティタブをクリックする。 編集ボタンをクリックする。 アクセス許可のダイアログが出たところで、グループ名 Users を選択して、 フルコントロールの許可にチェックを入れて、OK をクリックする。

 すべてうまく行っていれば、Pixia を使って、1200CUB でスキャンができるように なっているはずである。 その後、もっとシンプルなスキャナ用フリーソフトとして、 簡易スキャンソフト slicer を見付けた。 XP に対応するとしか書かれていなかったが、Vista でも問題なく動作した。
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/hardware/se462675.html

【 要点 】
  • レジストリエディタを使い、一時的に Windows 2000 に偽装して、ドライバをインストールする。
  • ドライバインストール時には、ウィルス対策ソフトは念のため停止させておく。(本当に必要かは不明)
  • 「C:\Windows\twain_32\1200CUB」フォルダのセキュリティをフルコントロールにする。
  • TWAIN 対応のソフトをインストールして、それを通じてスキャナ入力する。

 ここに記載した内容は、後で思い出して綴ったものです。 この通りやって、必ずしもうまく行くとは全く保証できません。 マネされるときは、あくまで自己責任で、慎重に操作してください。

SmartOCR Lite を Windows Vista で使う方法


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