我楽多箱  2000

ババ
未知なるパワー
パフォーマンス
環境に優しい車
たも
Tシャツの主張
横浜小2誘拐事件
公的ネズミ講?
ガンワクチン
二千年の日

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2000.12  

ババ

 愛知県で21世紀初の万博が開催されることになりました。 私には、五輪誘致に失敗して、 あせってババ(サイババではない)を引いたようにしか見えません。
 万博で名を上げ、ひと儲けしようとは、20世紀の延長の動機でしかありません。 20世紀の延長に21世紀があると考えるのは妄想となるでしょう。 ドイツ・ハノーバー万博の失敗は、既に21世紀の風を受けていることの証です。
 あせって引いたこのババを生かすことは極めて困難なことです。 もし愛知県にその困難を克服できる真の能力があるのなら、 21世紀のリーダーになるのにふさわしいとも言えるでしょう。
 愛知万博のテーマは「自然の叡智」という白々しいものです。 果たして 「海上(かいしょ)の森に対して何もしないこと」を超えて、 万博という形で自然環境のためになることをすることが可能でしょうか。 この不可能を可能にすることが、愛知県にできるのか、 じっくりと見ていきたいと思います。 2005年に「やはり大いなる田舎であった」と世間の笑いものにならないことを……。



2000.11  

未知なるパワー

 我が家から車で3、40分のところにある新しい町営住宅で、 ポルターガイストが起こると評判になりました。 そこの住民は、ポルターガイスト以上に、やじ馬に非常に迷惑しているそうです。 死霊よりも生き霊の方が始末が悪いようです。 この町営住宅ほどではありませんが、 私も以前から不思議に思っている未知なるパワーがあります。
 私は音楽CDを付属のプラスチックケースに入れて、 ガラス戸の付いた棚の上に立てて保存しています。 血液型◇型の几帳面な性格の私は、ケースに入れるときは、 ケースに対してCDの文字が平行になるようにきちんと入れておきます。 ところがCDを聞くときに、取り出そうとしてケースのふたを開けると、 いつの間にかCDがわずかに回転していることがよくあるのです。 それは目で見て分かるほどで、分度器を当てて測ってみると、 多い時には10度ぐらい回転していました。 長い間、聞いていないCDほど多く回転しているようです。 回転方向はいつも時計回りのようですが、 2枚入りケースの裏側は逆回転するようです。
 世の中には未知なるパワーがあります。 ケースの中のCDを回転させる力を、 私はコリオリの力ではないかと疑っているのですが……。



2000.10  

パフォーマンス

 夕暮れの名鉄名古屋駅のホームでしばしば見かける目立つおじさんがいます。 年の頃は50代かと思われるやや大柄なおじさんです。 髪の毛は5分刈りで、サングラスをかけて、派手めのブレザーを着ています。
 何が変わっているかと言ったら、 いつも携帯電話を耳にあてて、大声で何やら喋っているのです。 身振り手振りはとても大げさですが、視線はうつむき加減。 いつも見かける場所は上下線の中央に挟まれた降車ホームで、 電車を待つ乗客からは、おじさんの舞台を見ているような配置になっているのです。 以前はいつもゴルフバッグを持っていましたが、最近は色々な荷物を持っています。 ある日には、鹿の頭のはく製が付いた大きな壁掛けを持っていました。 身なりから推測すると結構裕福そうですが、いつもとにかく派手です。
 線路を挟んだホームで少し離れているため、 見ている乗客にはおじさんが何を喋っているのか聞こえないのが、 幸いと言うか、残念です。 このおじさんは名古屋駅近辺のほかの場所にも出没します。 さて今日はおじさんどうしているのかな。



2000.9  

環境に優しい車

 2001年度税制改正案で、運輸省などは新車登録から11年経過した車の自動車税を 引き上げる考えだということです。 これは、新車の売上げを増やそうとする自動車メーカーと 官僚・政治家が癒着した結果の陰謀以外の何物でもないと推測できます。
 11年以上も長持ちする車というのは、走行距離も少なく、 急発進・急加速・急停止などの乱暴な走行をして車両が痛んだりしていない、 環境に優しい車なのです。 私の近所に休日になるたびに人の迷惑も顧みず公道で洗車をしている人がいますが、 11年以上経った車は磨いて光る訳でもないので洗車は最低限で済み、 この点でも環境に優しいのです。
 それどころか、原料から新車を1台作る工程で、 どれだけ環境に悪影響を与えているかを考えると、 そちらに税金を課すのが本筋と言えるでしょう。 本当に環境のことを考えているのであれば、沢山の距離を走ることが問題であるため、 車ではなく燃料の方にたっぷりと税金を課すべきです。 環境に悪い軽油は、ガソリンよりも高く価格設定をしておくのが正しいと言えます。
 うちの車は1984年製ですが問題なく走ってくれます。 車のセールスマンが走行距離を見て驚いた、 とびっきり環境に優しい私の車の税金を上げようとするとは、 正に本末転倒言語道断というものです。



2000.8  

たも

 私は田舎に住んでいるので、夏になると蚊に悩まされます。 夏というよりも真冬以外は1年中蚊がいるという嫌な環境なのです。 外に出るとヤブ蚊がドッと集まって来るし、 家の中ではアカイエ蚊が暗がりに隠れているのです。
 蚊は人間の皮膚から出る二酸化炭素に反応して集まって来ます。 子どもは大人より代謝が活発なため、特に子どもが狙われやすいようです。
 飛んでいる蚊を両手でパチンとたたこうとしても、それはかなり難しいものです。 すぐに見失ってしまう程のちっぽけな蚊の脳は、一体何ミリグラムあるのでしょうか。 そんな微小な脳でも、 暗がりにひそみ、たたかれそうになると素早く飛び去る知恵を持っています。 また、50メートル先から臭いをかぎ分ける能力を持っているとも言われます。 実に驚くべきことです。 蚊に近い大きさで、蚊に近い機能を持ったロボットを作るのは、 これから先も不可能ではないかと思ってしまいます。
 わが家では部屋の中に虫取りの「たも」をいつも用意してあります。 それは蚊を捕まえるためのものです。 手では捕まえにくい蚊でも、「たも」を使えばかなりうまく行きます。 しかしそれでも蚊の能力に負けることはよくあります。 田舎に住んでいる人には「たも」の常備がお薦めです。



2000.7  

Tシャツの主張

 ブリュッセルに住んでいる人がこんなことを書いていました。 「欧州では最近、日本語の文字に人気があって、 子どものTシャツに大きく『おこさま』と書いてあったり、 街を歩く婦人が持つ紙袋には大きな文字で『万引きするで』と書いてあったりする。」
 日本で『おこさま』と書かれたTシャツを着た幼児がいたら、かなり目立つが、 それはみっともないと思われるからであり、 『万引きするで』と書かれた紙袋を下げたおばさんがいたら、 ぎょっとして、この人どうかしていると思われるに違いありません。 (『CHILD』と書かれたTシャツを見たら、 英語圏の人は同じ印象を持つでしょう。) 日本では日本語の文字が書かれたTシャツを着た人をめったに見ることはありません。 そんな物は恥ずかしくて誰も着ないので、売っていないからです。
 しかしアルファベットが書かれたTシャツはよく見かけます。 タバコのパッケージなどにもデカデカとアルファベットが書いてあります。 明治時代からの欧米コンプレックスを反映して、 日本ではアルファベットが書いてある物はかっこいいと思われる傾向があるからです。 文字は飾りではなく意味を伝えるものです。 ヒ素カレー殺人の容疑者が着ていたロゴ入りTシャツは、 テレビに映る歩く広告塔として、企業の宣伝に大いに役立った(?)はずです。
 英語に堪能でない人は、 アルファベットが書かれたTシャツを着る前にしっかりと辞書を引いてみて、 そこにかなと漢字で同じ意味の言葉が大きく書いてあったら、 自分は果たしてそれを着るだろうかと考えてみるとよいと思います。 国際化がどうのこうのと言われる時代です。 自分には分からなくても、『万引きするで』と書いてあることに、 隣にいる人は気付いているかも知れませんから。



2000.5  

横浜小2誘拐事件

 横浜市で起きた小2男児誘拐事件は、発生から5日後の2000年4月25日に、 誘拐された男児が無事保護されて解決しました。 この事件のポイントは、架空名義の銀行口座のオンラインシステムと プライバシーが保護されたプリペイド式携帯電話の2点だと言われます。 テレビで犯行の手口を散々報道していました。 犯人が有馬温泉で豪勢に芸者遊びをしていたところを 携帯電話が逆探知されて捕まったということです。
 テレビ番組では、 架空名義の銀行口座がインターネットで売買されていて簡単に手に入るということや、 プリペイド式携帯電話が身元確認なしでコンビニで購入できることを ご丁寧に紹介していました。 そして携帯電話と公衆電話を組み合わせた犯行の手口を解説していました。 これらの番組を見た悪人は「なる程、そうすればいいのか」と納得したことでしょう。 さらに極めつけは、犯人がドジを踏んだ逆探知の仕組みを解説していたことです。 携帯電話は、通話していなくても電源がONになっていれば、 通話エリアの基地局と微弱電波交信をして常に位置確認をしているため、 逆探知が可能だったということです。 今回の犯罪の反省点を説明して、 次回の犯人には「携帯電話を切り忘れるな」と言いたいのかと思ってしまいます。
 テレビ局は一体何を考えているんでしょう……。 などと書いている私もここでテレビ番組の上塗りをしているって……。 こりゃまたメンボクない。 m(_ _)m



2000.4  

公的ネズミ講?

 年金の支給水準の引き下げを盛り込んだ年金改革法が、 2000年3月28日に、またもや自自公連立政権によって強引に可決成立しました。
 金勘定の苦手な私には、年金制度の仕組みが今一つピンと来ません。 自分が積み立てておいたお金が、 老後に利子を付けて返って来るということではないようです。 現役世代が支払う保険料で高齢者の受け取る年金を賄う「世代から世代への仕送り」 という仕組みだということです。 4月1日から始まった介護保険制度の様子から推定すると、 年金制度も最初の時点では、保険料を支払う立場をパスして、 受け取る立場から始まった人もいたということなのでしょうか。 1929年生まれの人のモデルケースでは、 本人が払った保険料700万円に対して、6800万円を受け取ることになるそうです。
 払った金額の10倍近くが返ってくるという摩訶不思議な制度から、 私はネズミ講を連想してしまうのです。 1979年の「無限連鎖講の防止に関する法律」によって禁止されたネズミ講です。 ネズミ講は人間の数が無限のときにだけうまく行きます。 年金制度も人口が永遠に増加し続けるときにだけうまく行く、 ということなのではないでしょうか。
 今回の年金改革法は、人口が永遠に増加するという前提が崩れ、 「少子高齢化」という現実への対応ということだそうです。 そもそも人口が永遠に増加すれば、その前に地球環境が持ちません。 ネズミ講では、初期の世代以外は払い損になります。 年金も、これからの若い世代では、 会社負担分を含めて保険料支払い総額より支給総額が少なくなってくるそうです。 国民年金では、加入対象者の3分の1が免除、滞納、拒否ということで、 破綻の時期がいっそう早まるのではないでしょうか。 年金改革とはいっても当面の対症療法と言われています。



2000.2  

ガンワクチン

 あるテレビ番組で「ガンワクチン」という新しいがんの治療法を紹介していました。 ガンワクチンは東京慈恵会医科大学で研究中の最新のがんの免疫療法の一つで、 従来の免疫療法の弱点を克服する画期的な治療法と考えられています。
 体内に異物(ウイルスや細菌)が侵入した場合、 これに抵抗する物質が体内にできて、 異物を無害なものにして体外に排除しようとする反応(抗原抗体反応)が現れます。 このように感染する病気から防御されている状態を免疫と言います。 がんの免疫療法はこうした体内に自然に備わっている免疫力を利用した治療法で、 丸山ワクチンも免疫療法の1つです。 免疫療法の弱点は、がん細胞を異物として認知するのが難しいという点です。
 免疫システムの一部をもう少し詳しく説明すると次のようになります。 体内に異物が侵入すると、抗原提示細胞が特殊なタンパク質を異物に付着させます。 そのタンパク質を目印にキラー細胞が異物を攻撃するしくみになっています。 ところが、がん細胞は元々体内にあった健康な細胞が変化したものであるため、 抗原提示細胞はがん細胞を異物と判断できず、 特殊なタンパク質を付着させないのです。
 東京慈恵会医科大学では、 抗原提示細胞の一種である樹状細胞とがん細胞とを取り出して人工的に融合させ、 がん細胞特有のタンパク質を認知できる新しい融合細胞を作ることに成功しました。 これがガンワクチンで、これを体内に戻すと、 確実にがん細胞を認知できることが分かったのです。 肝臓がんを発生させたマウスにガンワクチンを注射したところ、 マウスの肝臓からがん細胞が完全に消えてしまいました。
 ガンワクチン治療は、 元になるがん細胞を取り出した本人にだけ効果のある治療法ですが、 医療の本質に立ち返った21世紀の治療法として注目されています。 今後の研究の成果が大いに期待されます。



2000.1  

二千年の日

 1970年の春、私は中学校の卒業文集に「二千年の日」と題する詩を書きました。 当時の私は30年後の西暦2000年に思いをはせていました。
 詩の中で私はこんなことを書いています。
「人類は火星へと足をのばす/日本のロケットは月へ行く/月旅行も現実となる」
宇宙に強い関心を持っていた私の3つの予測は、当たりそうに思えたのに、 残念ながらすべてはずれてしまいました。 (予測はもちろん有人ロケットのことです。) いまだに互いに殺し合っている人類には、 地球外へ飛び出すのにふさわしい霊性が備わっていないということもあるでしょう。
 「第三次世界大戦があるかもしれない」とも私は書きました。 この予測がはずれたのは幸いでした。 そうした方向性を抑える力がまさっていたということでしょう。
 新しいミレニアムはこれまでの単なる延長であってはなりません。 新しいミレニアムは人類が地球の調和を実現し、 地球を超えた宇宙の調和をめざす時であってほしいと願います。 現実の不調和は心の不調和が作り出すものです。 まずは、私たち一人ひとりが心の正しい基準を確立し、 伝承することに努めていきましょう。


BALCONY   ときめきのバルコニー