機械式掛け時計の調子が悪くなる原因

■■機械式掛け時計(ボンボン時計)の構造■■

右側(真鍮色)の輪列は時計用です。
左側(透明色)の輪列は、時打用です。毎時チャイムが鳴ります。(やや適当です)

動力が伝わる順番は、
香箱車(1番目のゼンマイが付いている車)→2番車3番車4番車ガンギ車アンクル振り子となっています。

赤い矢印の方向へ歯車が回転します。


歯車は、地板(上板と下板)の間にサンドイッチされています。
歯車の心棒が出ている穴が、非常に強い力で押されているため、真円であった穴(ほぞ穴)が楕円に削れます。(白い矢印)


このほぞ穴は、油が切れる、素材の真鍮が弱い、心棒(ほぞ)に傷がある等の原因で、楕円になる速さが違います。


ほぞ穴がキレイであれば、ピンク色の矢印くらいの力が2番目の車に伝わるとします。


ほぞ穴が広がることにより、力の分解が発生します。
歯と歯の噛み合わせが浅くなったり、次の歯車を回転させるのとは、関係のない方向に力がかかったりします。
そして、動力の伝達が弱くなり、時計が止まってしまいます。


広がった穴の横を、タガネで叩いて小さくします。(しめる)
図では、ポンチの様な物を使っていますが、通常は、半円のようなタガネを使います。


図の様に、叩く場合もあります。
タガネで叩いてしめたほぞ穴は、真円ではないため、エグリで削ったり、磨いたりして、摩擦の抵抗を減らします。


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