呪いは触手を次々に伸ばしてくる。
「ちぃっ!!これでは近付けん!!」
呪いは触手を鞭のように使い、攻撃してくる。
触手をよけたり切り落としたりでぼくも弟も精一杯だ。
「本体は見えているのに・・・」
伸ばしてくる触手の数が尋常ではない。
「ぐはぁっ!!」
弟が触手に殴り飛ばされた。
「おい!!大丈夫か?」
「触手から目をそらすな!!」
振り向くと、次の触手が来ていた。
ぼくはあわててよける。
「兄者、この触手は髪の毛でできているぞ!!」
弟が叫ぶ。
「離れろ!!一気に燃やし尽くす!!」
「待て!!」
ぼくは弟を制止する。
「大火事になるぞ!!」
「ちぃっ・・・本体のみを狙うしかないのか・・・」

 弟はぼくの近くまで来た。
「兄者、少し下がれ。」
「何!?」
「少し下がるんだ。そのほうが攻撃が激しくない。」
「本体を破壊しないといけないだろ!!」
「夜が明ければヤツは動けなくなる。それまで持久戦だ。」
「まだ6時間以上かかるぞ?」
暴れながらしゃべると息が持たない。
疲れが一気に出てくる。
「うぐっ!!」
ぼくは触手に殴り飛ばされた。
「いたたた・・・」
ぼくは立ち上がる。
「な・・・うそぉ!?」
弟が前から飛んできた。
二人で鳥居付近まで転がっていった。

「こいつ・・・夜が更けていくたびに強くなってるぞ。」
「いかんな・・・」
本体に近付くどころか押し返されている。
ぼくも弟も傷だらけだ。
息も相当荒くなっている。
「兄者は逃げろ・・・情けない話だが女神様に頼め。」
「やなこってす。」
弟を見捨てるなんてできない。
「死ぬときは一緒だぞ。」
「そんなことを言ってる場合じゃないだろう!!」
弟は声を荒げる。
「コイツをどうにかするのがオレたちの仕事だ!!」
次の瞬間、あたりに落雷のような轟音が響いた。


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