HOME                
南鳥島トップ 南鳥島とは トピックス 空と海 夕景 星空 鳥&自然 観光 南鳥島
特別航路

はなのはね南鳥島ガイド
  

  南鳥島特別航路

    
            
マーカスへの行き方とマーカスでの暮らし





機内から見たマーカス




マーカスの滑走路上を
通過するYS-11




C−130輸送機




YS−11




到着したばかりのYS−11





「南鳥島特別航路」って?

作家の池澤夏樹が、どうにかしてマーカスへ行こうと苦労し、
補給船に乗って1日だけ上陸した表題作のほか、
日本各地の自然を、池澤夏樹ならではの視点で
訪ねてみた記録を綴った12編から成る紀行文学集。
豪雪や暴れ川と人間の格闘、自然と人間との融合、
人が及ばぬ自然の力・・・日本にもいろいろな自然があって、
いろいろなものの見方があるんだなあと感じさせる、楽しく深い一冊。
池澤夏樹ならではの視点と、美しくかつ的確な自然の描写が素晴らしい!

というわけで、個人的にものすごくオススメなのですが、
残念なことに絶版。図書館で借りるなどしてみてください。

南鳥島特別航路
著者:池澤夏樹
出版社:JTB
サイズ:単行本 / 253p
発行年月: 1991年 3月
本体価格:1,553円 (税込:1,631円)
※新潮社発行の文庫版(1994年3月発行/本体価格438円/絶版)もあり。


マーカスへ行くにはどうすれば?

@気象庁の職員になる
A海上保安庁の職員になる
B海上自衛隊の職員になる
そしてそこで、マーカスに配属されるに違いない部署を希望する・・・
のが確実です。それしかないくらいです。
上記いずれの場合も、職員になれば誰でも行けるというわけではなく、
配属する(駐在員を送る)部署が決まっているので注意。
そのほか、島内設備の建設やメンテナンスをしている会社に勤める
(この場合は用事があるときのみの滞在)、
調理員として行く、という手もあります。


普通の交通手段がないのに、マーカスに駐在する職員は
どうやってマーカスへ行くの?


自衛隊の入間基地から、航空自衛隊のC−130輸送機に乗る。
物資補給のため、月1回だけ入間〜マーカスを往復する
自衛隊機に乗るかたち。
この物資補給便は、通常毎月20日ごろに運行されますが、
気象条件等で前後することもあります。
交代で帰る職員は、この際の帰便で入間へ戻ります。
所要時間は約4時間。
C−130輸送機は旅客機ではないので、シートは壁面についた
上げ下げ式。まるで兵士みたい・・・。
万が一の時のために(!)、個人の識別標を首からぶら下げての搭乗。


マーカスの住人

住人、といっても駐在員ですが。
気象庁職員15名、海上自衛隊南鳥島航空派遣隊員11名、
海上保安庁南鳥島ロラン局職員12名(それぞれ、およその人数)、
総員40名ほど。すべて男性。


マーカスの生活

本土より実際には1時間日の出・日の入りが早いことから、
食事時間が早いのがつらいとか。
朝食6時半、昼食11時半、夕食16時半。
(季節などにより多少変更あり)。
夕食から朝食までの間が長く、とてもおなかがすくらしい。
また、駐在期間(たいてい3ヶ月)のあいだずっと、マーカスにこもりきり。
駐在員には、どんなところでも他人と協力できる協調性と、
楽しみを見つけられる柔軟性が必要。


物資の補給

たいていのものは、先ほど述べたように月1回のC−130輸送機で
運ばれますが、そのほか、食料や新聞、
家族からの郵便や宅急便(自衛隊基地に気付で送っておく)など
小さなものを週1回、自衛隊のYS-11機で運んでいます。
マーカスでは自衛隊さまさま。


水が足りない!

本土の日本人は、水が足りないという事態をあまり想像できないでしょう。
日本は地理的には急峻な島国であり、その山間部に
広い森林を持っている上、雨、そして雪が多いので、つねに山(森林)が
水を蓄え、川となって流れるため、水に困ることは少ないと言えます
(日本でも、香川県など瀬戸内では雨(雪)が少ないために水不足が
起こりやすく、昔から貯水によってその不足を補う知恵がありますし、
沖縄など山少なく雪もない地方では、貯水を怠りませんが)。
しかし、マーカスのように平坦で小さい島では、水を蓄える自然機能が
無いために、水が恒常的に不足します。
水はマーカスの周囲にふんだんにありますが・・・でもそれは海水。
人間は、塩がなければまた生きていけないというのに、
人間が水として要するのは淡水である、というのは不思議な問題ですね。

さて、水を確保するため、マーカスでは、
滑走路に降った雨水を一カ所に集めています。
万一の場合に備え、海水の淡水化装置もありますが・・・。


余暇(非番の日)の過ごし方

釣り、サンゴの海で泳ぐ、ジョギング、写真、など、
自然と親しむ系の過ごし方が中心。
スキューバダイビングは機材持ち込み自体禁止。
マーカスは本土のアマチュア無線愛好者に
交信してみたい先として人気だそうで、
アマチュア無線クラブ局JD1YAA局が開設されており、
免許所持者ならそういった楽しみも。


日本はヨコにも長いはなし

マーカスは本土よりずっと東、東経153度59分にあるため、
日の出日の入りが東経135度の明石標準時より、1時間ほど早い。
(日の出日の入りの時刻には緯度も関係します)。
同じ日本でも、一番西にある与那国島(東経122度56分)とは、
実際には2時間も時間差が。
日本も広い!