明けまして おめでとうございます。 本年も どうぞよろしく。
我が家の報道官は、本年も ホームページを存続するという意向なので、コラムも 細々と続ける事になりました。 そんな訳で、本年度初のコラムには HPの名義人の 坂田瑞来の作文で、およそ半年ぶりの復活となります。
前回のコラムで 報道官も ふれていましたが、私の友人の T氏から、フェルメールの 『牛乳を注ぐ女』 の大きなポスターが送られてきました。 傷まないように 丁寧に 梱包されて送られてきました。 感謝、感謝です!。
私が 今まで愛蔵していましたポスターは、原画 (45.4×40.6cm) の ほぼ原寸大の大きさのものですが、今回のものは 81.8×72.8cm と巨大に 拡大複写されたもので、面積は 原画の約三倍強もある上に、照明が 強く当てられて撮影されたものらしく、細部と 色彩が 鮮やかに とらえられているので、フェルメールの 筆さばきと 正確な(?)色彩が 手に取るように判別できます。 今回のポスターと比べると、私が愛視していたポスターの撮影は、照明不足であったようです。
そのために 今回のポスターを眺めながら、以前のポスターでは 気がつかなかった事柄が いくつかありました。
@ 手前の籠の中にある 丸のまま置かれた丸いパンの色彩が、鮮やかなオレンジ色であった事 (以前のポスターでは、くすんだ こげ茶色でした)
A 背景の 壁から床にかけての色彩が、鮮やかな茶色であった事 (以前のポスターでは、沈んだ 茶色でした)
B 窓側の壁に沿った机の稜線が 非常に微妙な方向に向かって かすかに引かれている事です。 その事に加えて、青いスカートの すぐ前側の明るく描かれた 千切られたパンの向こう側に消え去っていく ほんの短い机の奥側の稜線の方向を考慮すると、机は 明らかに 五角形でなければ 理屈に合いません!。 しかも、変則の五角形!!です。
C 机の上に掛けられた テーブルカバーの色合いが、鈍いけれども 濃密と言ってよい紫色であった事
@ の事実は、私が、パンが ここにあるためには こんな色彩で描かれているはずだ と考えていた 予想の範囲の色であった事で、「当たったよ!」 でした。
A と Cは、描かれた色を確認して、「へぇ〜、そうなのか、勉強になります」 と感じた事、で印象深かったのですが、B は 謎!です。
解答は、二つ 考えられます。
A. 実際に 変形の五角形のテーブルがあって、フェルメールが面白い効果が生まれるのではと “にやっと” 笑いながら、それを使った。
B. 青いスカート前側で ほんのちょっと覗いている机奥側の稜線を そのまま水平に引いたのでは、パンや 土鍋(?)が 机の上に乗っからなくて 落っこちてしまうので、仕方なく、斜め上方に向かって 引き上げざるをえなかった。 何故なら、もしパンや土鍋(?)が乗っかるだけ 机の奥の稜線を 水平のまま上方に押し上げるとなると、これはもう 根本から 構図が変わってしまって、今更、やり直す訳にはいかないほどの大手術になる。
大抵の人は、B の方が 妥当な解釈だと考えるでしょうね。 私も、七割は そちらかなと思っていますが、そうだとしても 気になるのは 壁に沿って ぼんやりと引かれた机の稜線の方向は、一体、どういう理由があるのでしょうか?。
それにつけても 部分図の美しい事、ネオンサインを思わせるイリュージョンの世界ですね。
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