『神様からの贈り物』
10月末に 松山での個展が終わったのですが、全く 同じ作品を並べて、来年 1月早々に 新居浜で個展をする事が決まっていました。
その間の 11月、12月の二ヶ月の時間を、新しい作品を描くために使うのか?、それとも 今ある 13点の作品の加筆・修正のために時間を使って 作品のレベルを上げる可能性を探るのか?、瑞来さんも迷っていました。
私や、周囲の応援団は、「新しい作品を立ち上げてくれたら」 と密かに願っていましたが、瑞来さんは、自宅で見るのと、画廊で 自分の作品を 他者の作品として 第三者の目で見るのとでは、違った目で見えるらしく、それぞれの作品に 「あそこ違っているのでは?」 と思える個所があったらしく、「一度描き上げた作品の全てが、二ヶ月も手元にある幸運は、又とない 『神様からの贈り物』 の貴重な機会だから」 と、<私の出来うる限り>の加筆・修正をする事になりました。
それで、この二ヶ月の間、あきれる位、朝から晩まで、母屋 (額縁に入れて、絵を置いてある)と、自宅のアトリエの間を、何度も何度も 往復していました。
(アトリエで 加筆・修正しては、母屋へ持って行って額縁に入れて見て、また取り出して アトリエで加筆・修正して、また額縁に入れて見る の繰り返しで、私も途中からは、「勝手に 気が済むまでやって!」 と開き直って 気持ちを取り直すよう 努めています(苦笑))
私には、日々の 加筆・修正の細やかな変化は、中々、判りませんが、一週間、一ヶ月単位で見ると、同じ絵でも 画面が力強く、ニュアンスが豊かになっている様に見えます。
(本人が、「変わった、変わった」 と言う 影響が大きいのですが〜(笑))
そんな日々が 一ヶ月も続くと、さすがに 足踏み状態になっていた所へ、瑞来さんの友人から、東京で開催中だった展覧会の フェルメールの 「牛乳を そそぐ女」 の大きなポスター(73p×103p)が、思いがけず 送られてきました。
そのポスターを見て、瑞来さんは 「僕も フェルメールの半分くらいは 押し込めるはずだ」 と、勇気を もらったらしく、二段目のエンジンが点火されたみたいで、またまた、新たな 加筆・修正の日々を続けています。
本人は、粘りに粘った甲斐があった と申しておりますが、新居浜の 『音楽の泉』 に並んだ作品を見て頂いて、判断は、皆様に おまかせ致しましょう(笑)。
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