シールドについては 昨年の 11月22日のコラムでも書きましたが、それから後も、体力と 気力と 時間が許せば パワーアンプを 銅板やアルミ板で 隙間なく覆いつくすように 色々 工夫しながら 作業を進めてきました。
なぜ、工夫が必要かといえば、銅板やアルミ板が アンプ本体に触れないように カバーを中空に保持しなければならない事と、もう一つは、アンプから出ているスピーカー線 2本と 入力信号線 2本の 計 4本の銅線にも接触しないように 設置しなければならない事で、特に 4本の線の周囲を ほどほどに 隙間なく埋めるのは 至難の技(?!)なのです。
前回のコラムの頃には、まだまだ シールドに対する考え方が いい加減でありましたから、「適当に覆えば良いだろう」 と高を括って 作業をしていたのですが、習うより慣れろで、段々と いい加減に覆ったのでは シールド効果が失われてしまう事が 判ってきて、「これは 大変だぁ〜!」 という事になりました。
何事も<まともな事を>やろうとすると 只ではすまない事を 思い知らされてしまいましたが、その困難な作業も 漸く 終わりになりかけてきました。
当て推量ですが、完全なシールド状態の 8割くらいは達成したのでは と自己判断しています。 その甲斐あってか、音は 前回の時に比べて、随分と 静かになり、力強くなってきました。
その音の効果から 推測しますと、生活空間に飛び交っている電磁波が 信号線に混入した時には、それは単に “ザラザラ” とか “ザ〜” とかいう雑音を 信号に添加するだけではなくて、例えば、今、仮に A+の信号が 銅線中を通っている時、侵入してきた電磁波の中に、もし A−の信号があれば、A+の信号は 相殺されて 消されてしまうのではないかと 考えています。 (直感だけですが)
それにしても、オーディオを趣味にしている人は 沢山いるでしょうが、シールドの 不十分さの 加減に応じて、音が どの様に 変化していくのか 身をもって 微細に体験した人は少ないのでは と少し 『得意』 な気分でいます。
そもそもの始まりは、私が パワーアンプのカバーを 全部 取り除いてしまうという 『暴挙』 をやってしまったおかげですが、もし 私に 誰かから教わった<シールド>に関する知識があったならば、そんな 『アホ』 なことは 決して出来なかったでしょうから、私の 『無知』 が、私に ほとんどの人が出合っていないだろうと思われる 貴重な体験を もたらした訳で、結果的に言えば、私は<シールド>とは何かを、具体的に 少数の人しか達していないであろう程 高度に 学ぶ事になってしまいました。
これは、前回の 私のコラムがらみで言い回せば、「 『有知』 と闘える 『無知』 」 と言ってもよい程度の 出来事でした。
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