COLUMN
いつも ありがとうございます


制作者・・・・坂田みどり(妻 パソコン歴 六年半になります)


 166    「乾坤一擲」 (瑞来記)
更新日時:
2006/04/05
(瑞来さんから渡された原稿を、今週と来週に分けて 入れさせて頂きます。 ポスターを写真に撮ってみましたが、斜めになってしまいました(みどり))
 
フェルメールの 「牛乳を注ぐ女」 の 46cm×41cm のポスター(原画は 45.4×40.6cm とありますから ほぼ原寸大です)を毎日のように事あるごとに ためつすがめつ 眺めています。 画面のどこを観ても 「フ〜ン こんな風に描くのか〜!!」 と感心することばかりですが、といって 何故 彼(フェルメール)が そう描かねばならなかったのか、その理由がよく推測できないので 中々 私自身の血となり肉となるという成果には結びつきません。
名画が いつも画面の向こう側の秘密の部屋から抜け出してこない最大の要因は、人が画面に見入っている時、人は ついにタッチが持つ 色彩と明暗 の光学的絶対値を見極めることが出来ないからです。
画面上の全てのタッチの色彩と明暗は、その時 たまたま そう見える条件下にあったという 一回だけの 「偶然」 の現象なので、決して見えている通りの色が そこに塗られているのではありません。 ですから ある色彩や明暗が素敵だったからといってそれを名画から取り出して 自分の画面に取り入れる事は至難の技です。 その効果を名画の外に持ち出すためには まず画面全体を埋め尽くした 全てのタッチの光学的絶対値が解明されなければなりません。 それが出来れば その効果を名画以外の画面にも移行させる事ができる 最低の条件は与えられた事になりますが、そんな事は特別の研究機関以外には不可能でしょうし、又 よしんば解明されたにしてもその光学的事実を 自分のパレットの上で実現するのは ほとんど不可能でしょう。 ですから滅多な事では名画の 「秘密」 が外に洩れ出るという事は起こらないのです。 (来週に続く)

 167    我が家にPCがやってきて 丸3年! (みどり記)
更新日時:
2006/03/29
早いもので 私のPCライフも 丸3年を迎えました。 今や、我が家の便利グッズ No.1 の位置を占める大きな存在になった 『 PC さま(笑)』 です。
 
HP を中心とした コミニュケーションの輪の広がりは、日頃、孤独に絵を描いている瑞来さんの励ましと 応援団になってくれています。 本業の “絵のHP” を始めとして、ショッピング(本・CD・食品・衣料品 etc.)で 我が家のあらゆる分野の 生活のベースを支えてくれています。 また、色々 「解らない時のPC頼み」 で、インターネットでの情報収集も 便利で重宝です。
 
3年前に 周りの友人達に勧められて 「清水の舞台から飛び降りる」 くらいの 「エイッ!」 という覚悟で始めたPCでしたが、相性の良いPCの先生に恵まれ、メール仲間、HPにアクセスして下さる多くの方々に恵まれて、私にとって 「老後の大きな楽しみ」 を獲得することができて 感謝の日々です。
ありがとうございました。 これからも どうぞよろしくお願い致します。

 168    <絵の画面の不思議> (みどり記)
更新日時:
2006/03/22

いつも 「新作できました」 の後、「加筆・修正した画像と入れ替えました」 を2〜3回 繰り返しますが(笑) PCの画面上では入れ替える前後の画像を 同時に比べる事もできないし、分かりにくくて申し訳ないなぁ・・・と、いつも思っております。
 
今回の新作20F 『王林』 では、「新作できました」→「加筆・修正した画像」→「またまた、加筆・修正した画像」→「またまた、また」 と 4回 画像を入れ替えました。 PCの画面では分かりにくいと思いますが、側で絵の実物を見ていると、画面の色合いが段々と濃密になっているように感じていました。
(デジカメ撮影は、大体 同条件下で撮っているつもりですが)
今回 「またまた、また」 の画像をプリントアウトして 「またまた」 のプリントアウトと比べてみると、一番目立った違いは、バックが暗くなったことでした。 それで、瑞来さんに 「バックの色を暗くしたんだね」 と言うと、瑞来さんは 「実は、バックは元の色よりはホワイトを多目に混ぜた より白っぽい色をかけたので、光学的な絶対値としては明るくなっている」・・・と言うのです! でも、私の目には、実物の絵のバックは 全体に濃くなったように感じられますし、また、カメラで写した写真でも 明らかに バックは加筆前よりも暗く写っています。 不思議で話を聞いてみると 「僕もよく判らないけど<正解>に近い絵具が塗られると、絵具が色濃く発色するようだよ」 とのことでした。
素人考えだと 「濃い色を塗れば、濃い色に見えるだろう」 と思うのですが、どうもそう単純ではなさそうです。
瑞来さんが 『ハモッテきた』 と言う時は、(加筆・修正されていない)同じ色が濃密な色合いに見えてくる という本当に不思議な世界です。

 169    <キャンバス作り 終わりました> (みどり記)
更新日時:
2006/03/15
この一週間は、晴天と雨が 短い周期で繰り返し、その上 気温の低い時は 膠が乾くのに時間もかかり、他に雑用も多かったので、キャンバス作りに取り掛かって十日目にして、やっと 最後の 4回目の膠塗りを済ませて、ホッとしたところです。
 
キャンバス作りの工程での最大の難関は、一回目の膠を塗ってから乾かしたキャンバスの上に、膠で 麻紙を貼り付けていく作業です。 これは二人の内 片方がキャンバスに膠を塗り、もう片方が麻紙に膠を塗って、二人がかりで 空気が入らないように貼り合わせていきますが、二人で素早く 作業しなければうまくいかないので写真撮影の余裕がありません(笑)。 膠は 常に熱〜い状態で作業しなければ すぐに粘ってしまうので、一枚貼り合わせたら 次の一枚に取り掛かる前に 又 火にかけて膠を熱くします。 そんな訳で、途中何度も湯煎の鍋を 火にかけたり下ろしたりしながら 作業を繰り返します。 この麻紙を貼り付ける作業が終わると、肩の荷が下ります。
 
上の写真は、3回目の膠に混ぜる白い塗料二種類(リトポン・白亜)を デジタルスケールで量っているところです。 中の写真は、3回目の膠(麻紙を膠で貼り付けた上に塗る 白い塗料入り)を湯煎で煮溶かしているところですが、まだ膠と塗料が ダマダマになっています。 下の写真は、完全に煮溶かした“塗料入り膠”を 熱い内に塗り始めた所です。
4回目も、3回目と同じ作業をして“塗料入り膠”を塗り重ねて 出来上がりとなります。 やれやれ!!!

 170    <キャンバス作り 始まりました> (みどり記)
更新日時:
2006/03/08
先週のコラムにも書きましたが、作り置きの “瑞来仕様” のキャンバスの 6Fと 8Fがなくなっていたので、重い腰を上げて作る事にしました。 以前にも書きましたが、キャンバス作りには一週間くらいはかかるので、切羽詰ってこないと、中々、取り掛かれません。 本当に こればっかりは 二人で励まし合わなければ作れるしろものではないのです。
 
今回は、前日の夜 膠をふやかしておいて、次の日の朝 ふやかした膠を湯煎にかけておいて、「さぁ、やるぞ」 とアトリエへ “キャンバス地を裏返して張った木枠” を取りに行き、一枚、箱から出してみると・・・・・一瞬、絶句!・・・木枠に張られたキャンバス地が波打っているのです。
次の一枚、次の一枚・・・・・今回、文具屋さんに張ってもらったキャンバス(※)は、全て(29枚あった)波打って、一枚も使い物になりません。
あわてて湯煎の鍋の火を消し、文具屋さんへ運びました。 取りあえず、今回分(ふやかした膠の量に見合った枚数)の 6F4枚、8F4枚 だけでも至急 張り直してもらうことにして、待つこと半日、やっと夕方届いたピンと張り直された裏キャンバス 8枚と、前回からの残り 4枚の合わせて 12枚のキャンバスに一回目の膠を塗って、やっと第一歩が始まりました。
((※)瑞来さんも私も、腰痛予備軍なのでキャンバス張りは外注にしています)
 
次の大仕事(?!)は、膠を塗ったキャンバス地に貼り付ける “麻紙” をキャンバスの大きさに合わせてカットして下準備を整えます。 “麻紙” は、一枚が 100×200p もあってそれを くるくる巻いて数年に亘って保存してあったので、巻き癖が強くて 正確な数値を切り出すのは大変です。 カットする麻紙の大きさは、キャンバスの周囲から<正確に>内のりマイナス 3o の大きさにカットしておかないと、次に膠で麻紙を貼り付ける時に、うまく貼り付いてくれないのです。 (これは体験者の知恵です)


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