五月の料理教室は毎年<かつおを丸ごと一本>使った様々な献立が登場します。
一般の家庭では、普通<かつおを丸ごと一本>なんて買わないし、下ろす事もないと思いますが、我が家では 父・虎一が、まだ元気だった頃は、父が 「魚」 を得意とする画家だったため、様々の人々から色々な種類の魚が届けられることが普通では考えられない程の頻度であって、一度だけ<かつおを丸ごと一本>頂いたことがあります。
私が、まだ30代になったばかりの頃で、当然の事ながらそれまで一度も 「かつお」 を下ろした事がないのですから 「こまりました!」 大きな 「かつお」 を目の前にして、立ち往生です。
とにもかくにも、何とかしなければ・・・・・ということで、その時は 運良く 22枚の写真入りで 「かつおの下ろし方」 の手順が詳しく載っていた本( ※ 参照 )を見つけて、瑞来さんにひとコマづつ 解説を読んでもらいながら<大きいかつお>と格闘して、何とか(?!) 処理した印象深い思い出があります。
前置きはさておいて<かつおの下ろし方>の特色は、普通の魚と少し違って、ウロコが非常に細かくて、鎧のように堅いので、刺身包丁で削ぐようにして取ります。 身が柔らかいので、左手でシッポを持ち上げて(重いです!) 背骨に沿って、出刃包丁で力強く断ち落とします。
料理教室では、毎年、誰かが ギセイ者(笑) となって<かつおを下ろす>のに挑戦させられますが、皆、白羽の矢が当たらないようにと、逃げて遠巻きに見学します。
私もまだ、自宅で一度、教室でも一度 しかやったことがありません (笑)。
( ※ 日本放送出版協会 柳原敏雄著 「伝承日本料理」 P.154 )
(余談ながら、この本には他にも色々と随分助けられて、今までで一番活躍してくれた実用書です)
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