私のオーディオ装置の編成機器は、ここ15年ぐらいの間、変わっていません。
唯一の例外は、CDトランスポ−トとDAコンバーター (両方を合わせてCDプレイヤーです) をつなぐデジタルケーブルを二年前に、1万円のものから4万円のものに替えた事ですが、オーディオを人生の趣味にしている人の中では、珍しい例ではないでしょうか。 そうなった原因の八割方は経済的な理由からですが、二割くらいは自覚的な<禁欲>といえるでしょうか。
今の装置は17〜8年前に揃えたものですが、その頃には、スピーカーから出る音の聴き易さの程度と投資金額の大きさは、正確には連動して上昇しない事を知っていました。 そして何故そうなってしまうのか、その理由もおおよそ見当がついていました。
2万円の装置、20万円の装置、200万円の装置、2000万円の装置、2億円の装置(?)、どんなレベルの装置といえども、必ず背負わなくてはならぬ自然現象として<振動>と<重力>を想定できると考える様になっていました。
経験的に言えば、電気信号というのはアナログ・デジタルを問わず、部品の電気特性に係わりなく、<振動>によってマイクロホンから入力した最初の形から変形を受けてしまう厄介な性格のようです。 何故そうなるのか理由はよく判りませんが、安定の悪い足元を歩くと歩き難いのと同じ様なものだろうと簡単に想像しています。 又、どんな物体にも<重さ>が有りますが、その重さを支える場所では物体の分子が何らかの歪みを受けて、その結果、電気信号がスムーズに流れなくなるのではと予断しています。
<重力>はどこでも働いているというのは誰でも納得しますが、<振動>となると体験のない人には 〔?〕 であると思いますが、音というのは物体の振動が空気に伝わって空気が振動する事ですから、音というのは<振動>そのものです。 ですから<振動>と<重力>を装置から遮断・排除することは基本的には不可能ですが、軽減する事はできると思っています。
そんな理由があって、私の装置からできる限り<振動>を遮断・排除する事、そして装置の<重量>をできるだけ分散して装置以外の物体で補助して重さを支えるように工夫してみる事の二つの作業を、この15年間試みてきました。
結果から言えば、私の前提はそんなに間違ってはいなかった様ですけれども、装置の<容姿>は大いに異様なたたずまいに変貌してしまって、初めて私の装置を見た人は、誰もが 「アレ、何ですか?!」 と問いただす状態になりました。
現在の心づもりとしては、機器が壊れない限り、又、全てのソースがスーパーCDになって現行のCDプレイヤーが役目を終えない限り、現在のままで頑張りたいと思っているのですが・・・・・。
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