日頃の行ないが余程いいのでしょう(笑) 生まれて初めて本物の「能」を見る機会が、先日、掲示板にも書きましたが、台風10号の接近・通過時とちょうど重なるという、またとない経験をすることになりました。
<薪能>という言葉の響きもロマンチックで・・・過去数回見られた方から「大三島・大山祇神社の大きな楠の下で、黄昏時に始まって、陽が暮れてくると篝火の幽玄な雰囲気の中で演じられる「能」は素敵よ」・・・と話を聞いていたので楽しみにしていたのですが、それを味わえなかったのは残念です。
場所が急遽、大山祇神社境内の特設能舞台から、伯方町民会館に移って、主催者の方々も本当に大変だったと思います。
そのひとつが、この写真の座席表です。 開催場所が変更になっても、1000余の全席指定を全て振り分けられていたのには驚きました。 町民会館の椅子の背中ひとつひとつに指定座席番号を紙に書いて貼ってあります。 席が足りない所は、折りたたみの補助椅子に貼ってありました。 そのお陰で、「座席争奪戦」になる混乱もなく、安心してゆっくり開演を待てました。(町民会館は海に面して建っているので、皆でおむすび弁当を食べながら、窓の外には白波の立つ波打ち際と横向きに飛ぶ雨です(笑))
「能」二題、「狂言」一題で、「能」も 「狂言」も衣裳の文様、色の組み合わせが絶妙です。「能」は面(おもて)をつけていて、どうしてあんなに声が通るのか?不思議でした。 笛・鼓などテレビで見るのと違って、肌に突き刺さってくる様なするどい余韻のある音で、舞台が始まると (時折、舞台上が無音になった時、聴こえてくる風のうなる音に現実に引き戻されながらも)アッという間の2時間40分でした。
終演時には台風も四国を通り過ぎて、瀬戸内海を渡って行った後だったので、予定通り、無事に帰路につくことができました。
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