我が家の CDプレイヤーは、二つの箱からなっているセパレート型です。
CDのデジタル信号を読み取る トランスポート部と 読み取ったデジタル信号をアナログ信号に変換する コンバーター部からなる 二つの箱です。 ところで、このセパレート方式の最大の問題点は、この二つの箱を接続する信号ケーブルを、どう選択するかです。
音が、まぁ普通に出るためには 1m のデジタルケーブルを一本 繋ぐだけでも、十分に音は出ます。 実際に、壊れてしまった昔のプレイヤーは 一本のコード(5万円くらいでした)で繋いであって、それはそれで
私に不満があった訳でもなかったのです。
ところが 今回のプレイヤーでは、メーカー推奨の方式は、この両者を 二本のデジタルケーブルで繋げる事を薦めています。 一本のケーブルで左右の信号を送るよりも、二本のケーブルで左右の信号を 別々に送った方が 音質的に有利だと称しています。
そう言われると、無理をしても 二本のケーブルを使いたくなるのが人情というもので、新しい装置を入れ替えた時に、二本で 10万円のケーブルを調達したのです。 こういった
ケーブルについての情報は、日頃から無駄と思われるオーディオ誌を全部買って、よく!目を通しておかないと、いざという時、役に立たないのです。
この手のケーブルの優劣を比較検討する記事は、どのオーディオ誌も 時々 特集を組んでいますから、それを 五種位当たってみて、オーディオ評論家や
実験に使っている装置にかかわらず、まぁまぁの結果を残している物を、自分の予算に合わせて選び取ります。 まぁ、最後は 「カン」 というところです。
私が選んだのは、アコースティックリバイブという 日本のメーカーの AES-1.0 PAU(写真では、黒色の二本) という型番の物で、家内に頼んで
インターネットで買って貰いました。 届いた荷物を開いて、ケーブルを視た時に、「あぁ、これならいける」 と判断できました。 私が特別に その手の情報と体験が豊かであるという訳ではないのですが、ケーブルの太さと
触った時の重さと ”グニャグニャ”具合で、なんとなく 無理のない音が出るだろう事が 予感できるのです。
実際に繋いでみて、それが 良い音か 悪い音かは、入れ替えてみる 別のケーブルがないのですから、正確には判らないのですが、嫌な音がしなかったので
十分 合格と言えます。 それで ここ五ヶ月くらいを そのケーブルで過ごしてきました。 ところが、メーカーは この機械の理想的な接続方法は、もう一本
デジタルケーブルを加えて、三本のケーブルで 両者を結ぶ事を薦めています。 私の いい加減の知識で判断すると、多分、CDを回転させる モーターの回転むらによる
信号の乱れを補正する機能が、三本目のデジタルケーブルを繋ぐ事によって より強化されて、この CDプレイヤーの 正規の能力が発揮されるという事であるらしいのです。
この種の CDプレイヤーを持っている 色んな人の体験記を読んだ範囲では、それはそれなりの効果があるという結論が出ているのですが、何せ 予算が底を尽いていたので
半年間待っておりました。 個展も終わったところで、早速、家内に頼んで インターネットで買って貰いました。 今度は、ハーモニックテクノロジーというアメリカの会社の
Magic Digital Two という型番のもの(写真では、紫の縞々)です。 これも最後は「カン」で選ぶのですが、やってきた製品は 思ったより
太くて堅いのです。 「ダメだ〜」 という感じはしなかったのですが、これは使いこなすのが 大いに難しいと感じました。 価格は 6万円。 実際に使用してみると
やっぱり使い難いのですが、6万円の効果はあったようです。
音が、全体に しっかりしたのですが、一番良くなったのがヴァイオリンで、あの “シャコンヌ”が ぎりぎりですが 13分全曲 聴く事が可能になりました。 それは、オーディオ無関心派の家内も認めていますので確かでしょう。
こうなると、次の目標は、三本の電源ケーブルの調達ですが、これは ちょっとやそっとの事ではないので まぁ 3年くらい先の話になる予定です。 これは、一本10万円くらいはするので、何を選ぶか、時間をかけた商品の知識が必要です。
この間、友人が送ってくれた雑誌に、たまたま、聖書特集があって、その中で ある人が こんな章句を引用しているのに出逢いました。 『 何によらず手をつけたことは熱心にするがよい。 いつかは行かなければならないあの陰府(よみ)には仕事も企ても、知恵も知識も、もうないのだ
』