法話集
高野山本山布教師 坂田 義章
ハスの花
「花果同時」というように、ハスは花が咲いた時には、花の中に既に実が稔っている、といいます。また、ハスは泥沼から生えて栄養を摂取しながら、泥に染まらぬ清らかな花を開きます。「われらが生涯、またかくの如く」と仏教ではこのハスの花を、大いなる理想としてきました。
観音様の中には片方の手に蕾のハスの花を持って、もう一つの手でそれを開こうとしているお姿のものがあります。衆生の仏心を開花させようとする慈悲を物語っているのです。
ハスの花が開く季節に、お盆がやってきます。
合 掌
この文章は、暑中お見舞いの寺報ハガキに掲載しました。
《過去掲載分》
○ 2005年6月21日「賽の河原の地蔵和讃」
○ 2005年1月1日「一期一会」
○ 2004年9月21日「仏法遙かにあらず」
○ 2004年3月21日「リンゴの気持ち」
○ 2004年2月21日「ふうせんかづら」
○ 2004年1月21日「心の師」
○ 2003年10月21日「百日紅の花」
○ 2003年8月21日「露団団」