法話集
「春遠からじ」 |
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高野山本山布教師 坂田 義章 | |
てのひらに載せて見つめる銀杏(ぎんなん)は自然のこぼす泪ならずや ドクダミの花の匂ひに顕(た)ちて来るほろにがき老いの悔いと追憶 生とともに死にも領有されゐるか日々せめぎ合ひの吾の肉体 苧環(おだまき)の花咲きたりとさまざまに還(めぐ)る思ひは弔ふごとし 倒れたるままにゆうらりと揺れてゐる素直なるかもコスモスの花 南天の赤い瞳が黙語する君しるや否や春遠からじ 沈丁花の香が庭を奔り来てもうそこまでの春を告げをり |
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南無大師遍照金剛 合 掌 |
この歌は、2011年1月発行『遍照』に掲載されました。
《過去掲載分》
○ 2010年4月21日「春の心」
○ 2010年1月21日「到りうべしや」
○ 2010年1月1日「春遠からじ」
○ 2009年9月23日「禽獣卉木 皆是法音」
○ 2009年6月21日「仏道遥かに非ず」
○ 2009年1月1日「何かが忘れられている」
○ 2008年10月28日「鳳仙花燃ゆ」
○ 2008年9月21日「鳳仙花揺るる」
○ 2008年7月28日「微笑の灰」
○ 2008年2月21日「日はまだ暮れず」
○ 2008年1月2日「見られている」
○ 2007年10月21日「桜池院前官追悼詠草」
○ 2007年9月21日「おかげさまで」
○ 2007年7月21日「到りうべしや」
○ 2007年3月21日「おかげさま」
○ 2007年1月1日「私達の忘れ物」
○ 2006年8月23日「くちなしの花」
○ 2006年7月21日「露の法音」
○ 2006年4月21日「負い目」
○ 2006年1月1日「別事無し」
○ 2005年8月21日「秋風蕭蕭(しょうしょう)」
○ 2005年7月21日「ハスの花」
○ 2005年6月21日「賽の河原の地蔵和讃」
○ 2005年1月1日「一期一会」
○ 2004年9月21日「仏法遙かにあらず」
○ 2004年3月21日「リンゴの気持ち」
○ 2004年2月21日「ふうせんかづら」
○ 2004年1月21日「心の師」
○ 2003年10月21日「百日紅の花」
○ 2003年8月21日「露団団」