仏 教 と現 代

アフガンに緑の大地を

伊藤和也さん 2008年8月、アフガニスタンで「ペシャワール会」の伊藤和也さん(=写真)が殺害されるという事件がありました。

 伊藤さんは5年にわたり、アフガンの地で現地ワーカーとして働いてきました。静岡県出身の伊藤さんはもともと農業志望で、おもにアフガン・ダラエヌールの農業支援活動に従事していたといいます。

 その伊藤さんが凶弾に倒れた頃から、アフガンは非常に危険な情勢になっています。しかし、同じペシャワール会の中村哲医師だけは、現在も日本人としてただひとり、現地に残って活動を行っています。

 中村医師の哲学は明快です。「アフガンの文化を尊重し、アフガン人がアフガンのふるさとで、アフガンのやり方で生活ができるように、平和なやり方で」事業を進める。中村医師自身はキリスト教徒です。現地の人々のほとんどはイスラム教徒ですが、驚くほど溶け込んでいます。

 中村医師の熱意に共鳴した伊藤さんも、同じ思いでアフガンにわたり、現地ワーカーを続けてきました。

 その伊藤さんの写真展が現在、全国各地で行われています。11月には福山でも実現するということで、先日その記者会見が行われました。私も会見に同席しました。

 ふだんニュースでは知ることのできない、枯れ果てた大地が緑に覆われていく様、生き生きとした子どもの笑顔を、伊藤さんのレンズを通して発見できます。福山スタッフの代表・松浦さんは、「子どもたちの笑顔は、伊藤さんへの信頼の証です」と話していました。

 現在、アメリカや日本のアフガン政策に注目が集まっています。軍事ではなく、人から人への支援が求められていると痛感します。

アフガンに緑の大地を
伊藤和也君追悼写真展
日時 2009年11月12日(木)〜16日(月)10:00〜19:00
*最終日16:00まで
会場 まなびの館ローズコム(福山市霞町1-10-1)
 TEL 084-932-7265
入場 無料
主催 ペシャワール会
 TEL 092-731-2372
 FAX 092-731-2373
運営 中村哲医師のお話を聴く会
後援 福山市教育委員会
企画協力 静岡新聞社・静岡放送
連絡先 084-972-5590(松浦さん)

2009年10月21日 坂田光永


《バックナンバー》

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○ 2009年6月21日「臓器移植と『いのち』の定義」
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