仏 教 と現 代

台湾ダーランド


 つい先日、同業の方数名と、台湾に行って参りました。

 今回のツアーの中で私が期待したポイントの1つは、ジュウフェン(漢字では「九」「イ分」=キュウフン)です。映画『千と千尋の神隠し』のモデルになった場所で、日本人観光客が多く訪れます。

 細くて複雑な路地と坂道は、なんとなく鞆や尾道を連想させます。建物の朱色が印象的です。もともと近くに金鉱があり、日本統治時代には相当栄えたのだそうです。それが一時すたれたものの、いろいろな映画の舞台になり、現在は観光で再び栄えています。

 実は、私たちが訪れた観光地は、どこもかしこも中国人観光客であふれかえっていました。聞けば今年に入って150万人だとか。観光だけではなく、台湾経済は中国とは切っても切れない関係のようです。

 台湾というのは複雑なところです。中華民国と名乗ってはいるものの、「台湾は中国の一部」という中国共産党の主張がいちおう国際的なスタンダードになっていて、国のようで国でない複雑な地域です。また、本省人(もともと台湾に住んでいた人)、外省人(国共内戦後に台湾に渡ってきた国民党系の人)という呼び名があり、お互いに複雑な感情があるようです。そして、本省人の力の強まりとともに反中意識が高まった一方、経済的には中国人観光客に期待大なので、中国共産党と内戦を戦ったはずの国民党が今や「親中派」というところも複雑です。

 さて複雑といえば、ジュウフェンの小道も狭くて複雑です。こんな道なのにトラックが無理やり通ろうとします。荷台には豚の頭が、まるで人体の不思議展のごとく筋肉むき出しになっています!(=左写真) 豚の頭は重宝がられるそうですよ。

 台湾は町並み保存に積極的です。日本統治時代の古い建物も市街地に多く残してあって、逆に日本側が当時の建築様式を知るうえで参考にするほどです(東京駅ビルがその例だそうです)。それもなんだか複雑ですね。

 ちなみに宗教については、道教と仏教が多いようです。「道教のお堂は派手で、仏教は地味」とガイドさんは言っていました。私にはよく見わけがつかなかったのですが…。

 では、ここで問題。右写真の山の中腹に同じような屋根つきの構造物がたくさん並んでいますが、これは何でしょうか? 分かった人には抽選で台湾土産を! 当選の発表は発送をもって代えさせていただきます(笑) …台湾土産、まだ残ってたかな??


2010年12月21日 坂田光永


《バックナンバー》

○ 2010年11月21日「千人の垢を流して見えるもの」
○ 2010年10月21日「いのちの多様性」
○ 2010年8月21日「奈良、歴史『再発見』」
○ 2010年7月21日「身延山と日蓮」
○ 2010年6月21日「ボクも坊さん。」
○ 2010年5月21日「仏法は汝らの内にあり」
○ 2010年4月23日「葬式は要らないか」
○ 2010年3月21日「再びオウム事件と仏教について」
○ 2010年2月21日「立松和平さんの祈り」
○ 2010年1月1日「排他的、独善的な仏教にならないために」
○ 2009年12月21日「『JIN』のようにはいかないもので」
○ 2009年11月21日「排他的?独善的!」
○ 2009年10月21日「アフガンに緑の大地を」
○ 2009年9月23日「笑いとため息」
○ 2009年7月21日「臓器移植と『いのち』の定義 続編」
○ 2009年6月21日「臓器移植と『いのち』の定義」
○ 2009年5月21日「『地救』のために何ができるか」
○ 2009年4月21日「アイアム・ブッディズム・プリースト」
○ 2009年3月21日「おくりびとと『死のケガレ』」
○ 2009年1月21日「『伝道師』としてのオバマ」
○ 2009年1月1日「空と海をつなぐ」
○ 2008年10月28日「会津をめぐる」
○ 2008年9月21日「神秘主義」
○ 2008年7月21日「グリーフレス中学生」
○ 2008年5月21日「祈りと行動と」
○ 2008年4月21日「聖火の“燃料”」
○ 2008年2月28日「妖精に出会う」
○ 2008年1月21日「千の風になるとして」
○ 2007年10月21日「阿字の子が阿字の古里…」
○ 2007年8月21日「目覚めよ密教!」
○ 2007年6月21日「昔のお寺がそのままに」
○ 2007年4月21日「空海の夢」
○ 2007年3月21日「無量光明」
○ 2007年2月21日「よみがえる神話」
○ 2007年1月1日「伊太利亜国睡夢譚」
○ 2006年11月21日「仏教的にありえない?」
○ 2006年10月23日「天使と悪魔 〜宗教と科学をめぐる旅〜」
○ 2006年9月21日「9/11から5年」
○ 2006年8月23日「松長有慶・新座主の紹介」
○ 2006年7月21日「靖国神社と仏教の死生観」
○ 2006年6月21日「捨身ヶ嶽で真魚を見た」
○ 2006年5月21日「キリスト教と仏教と「ダ・ヴィンチ・コード」」
○ 2006年4月21日「最澄と空海」
○ 2005年9月23日「お彼岸といえば…」
○ 2005年7月21日「お盆といえば…」
○ 2005年4月21日「ねがはくは花の下にて春死なん…」
○ 2005年3月21日「ライブドアとフジテレビと仏教思想」
○ 2005年1月21日「…車をひく(牛)の足跡に車輪がついて行くように」
○ 2004年8月21日「…私は、知らないから、そのとおりにまた、知らないと思っている」
○ 2004年7月21日「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。」
○ 2004年6月23日「文殊の利剣は諸戯(しょけ)を絶つ」
○ 2004年5月21日「世界に一つだけの花一人一人違う種を持つ…」(SMAP『世界に一つだけの花』)
○ 2004年4月21日「抱いたはずが突き飛ばして…」(ミスターチルドレン『掌』)
○ 2004年3月23日「縁起を見る者は、法を見る。法を見る者は、縁起を見る」
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○ 2004年1月21日「現代の世に「釈風」を吹かせたい ―心の相談員養成講習会を受講して―」
○ 2003年12月21日「あたかも、母が己が独り子を命を賭けて護るように…」
○ 2003年11月21日「…蒼生の福を増せ」
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○ 2003年9月21日「観自在菩薩 深い般若波羅蜜多を行ずるの時 … 」
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